配合飼料の作り方(その4)

その次に出ている「子豚育成用」と「肉豚肥育用」というのは豚用の飼料ですよね? どんな違いがあるんですか?

 

そうです。両方とも豚用、つまり私たちが食べている豚肉を生産してくれる豚用の配合飼料なんですが、与える時期の違いによって、豚が必要な栄養素が違ってくるために、使用する原料や割合を変えてゆくんです。生まれたばかりの子豚の体重は1~2キロくらい、そこから体重が120 kgくらいになるまで育てて、肉用として出荷されるのですが、子豚育成用飼料は体重が30 kgから70 kg 位になるまでに、肉豚肥育用飼料はこれ以降の豚に与えるんです。

前回、ブロイラーは45 gくらいで卵からふ化してから7週間くらいで出荷される体重(3 kg)まで育つという話をしましたが、豚の場合は、1~2 kgで生まれてから6か月くらいで120 kgまで成長するんです。

ちょっとかわいそうなくらい早いんですね…

 

そうなんです。この図にあるように、豚にしても、ブロイラーにしても、発育が進むにしがって、体重が増えるスピードはどんどん遅くなってゆきます。また、発育が進んでゆくと、体重を増やすために必要な飼料の量も増えてゆきます。体重を1㎏増やすためにどのくらいの量の飼料が必要なのかという指標を「飼料要求率」と言いますが、例えばブロイラーの場合の出荷までの飼料要求率は1.7くらい、つまりふ化してから体重が3 kgまでになるまでに5 kg 強の飼料を食べます。豚の場合は大体3倍くらいなので、120 kg×3=360 kgくらいになります。だから、発育スピードが速くて、飼料の効率も良く、そして、食べておいしい時期まで育ててお肉として食べているわけです。

じゃあ、次回からは、家畜の配合飼料にどんな原料が使われているのかをお話ししましょう。

 

[その1]  [その2]  [その3]  … [その5] [その6] [その7]  [その8] [その9]