配合飼料の作り方(その3)

(その3: 配合飼料に用いられている原料について)

この表は、日本でいろいろな家畜用の配合飼料に使われている原料と、その割合をまとめたものです。
左側から見ると、まずブロイラー。僕たちが普段食べている鶏肉を生産するためのニワトリをブロイラーって呼んでいます。ブロイラーの場合、卵は21日間かかってふ化してヒナが生まれます。生まれたてのヒナのことを「初生びな」と言いますが、この時の体重はだいたい45グラムくらいです。ここから飼育し始めて体重が3キロくらいになったところで、肉用に出荷されます。
さて、ここで質問ですが、45グラムで生まれたヒナの体重が3キロくらいになるまで、どのぐらいの日数がかかるでしょう?

1年くらいですか?

 

不正解!!
45グラムで生まれたヒナの体重が3キロまで成長するまでの期間はったったの7週間です。ブロイラーはこんなに短い期間で飼料をいっぱい食べて、効率良くお肉を作ってくれているんです。

 

ブロイラーというのは本当にそれだけ早く大きくなるのですね。その次にある産卵鶏用っていうのは、卵を産む鶏用の飼料ですよね。産卵鶏はどれくらい飼うのですか?

 

私たちがいつも食べている卵は食卓卵(テーブル・エッグ)って呼んでいますが、この卵を産んでくれているニワトリを産卵鶏って呼んでいます。この産卵鶏が卵から生まれて、卵を産むようになるまで、大体120日くらい、3カ月から4カ月くらいかかります。120日ぐらいから卵を産み始めて、最初のうちの卵は小さくて、よく旅館の朝ご飯に出てくる卵は小さいですよね。あれはおそらく、割と早い時期というか若い鶏が産んだ卵だと思います。大体そこから1年くらい卵を産ませてゆくと、だんだん大きい卵を産むようになります。

産卵鶏は1年くらいしか卵をうまないんですか

 

実際にはもっと長い期間卵を産むことはできますが、1年くらいたつと、今度はだんだん卵の産む数が減ってゆきます。1日あたり何個の卵を産むかというのを産卵率と言いますが、卵を産み始めてから1年くらいまでの産卵率は大体90%以上です。

 

1日に1個の卵を産むんですか?

 

普通の産卵鶏は、25時間ぐらいのサイクルで産卵します。1日は24時間だから、若干ずれていきますが、ほぼ毎日卵を産んでいるということになり、1年は365日だから、ちゃんと全部産むとしたら1年で330個ぐらいの卵を産むことになります。
この表を見ると良くわかるとおもいますが、産卵鶏用の飼料には炭酸カルシウムを多く配合されているでしょう。どうしてかというと、卵の殻の重量は卵全体の10パーセントくらいなので、60グラムの卵だったら殻の重さは6グラムぐらいです。この殻の95パーセントは炭酸カルシウムで出来ているんです。だから、産卵鶏がほぼ毎日卵を産むためには、炭酸カルシウムをたくさん含んだ飼料を食べる必要があるわけです。

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