飼料産業の最近の取組み~SDGsの観点より~ vol.1(飼料産業は壮大なるリサイクル産業)

サステナビリティやSDGsという言葉を聞いたことがありますでしょうか?これらと飼料業界との関連について、少しお話をしたいと思います。

《飼料産業は壮大なるリサイクル産業なんです》
私なりに考えてまとめてみたのが今回の資料で、「持続可能な食のサプライチェーン」という非常に大きなテーマになっています。
まず、皆さんは飼料産業をあまりご存じないかもしれませんので、飼料とはどのようなものなのかというお話をしましょう。実は飼料業界は、壮大なリサイクル産業なのです。たとえば、大豆や菜種(ナタネ)は油糧植物といわれるように種子に油を多く含んでいて、その種子に含まれている油を搾って食用油として利用してきました。油を搾った時に出る残りの部分、すなわち「かす」ですが、これは植物性油かす類と呼ばれる家畜にとって良好なたん白質供給源になっています。下のグラフにあるように、大豆かすやナタネかす等の植物性油かすはどこに行っているのかというと、基本的には飼料用にほぼ全部使われています。ですから、植物性油かす類は、リサイクルという意味で、非常に重要な原料になっていると思います。

もう一つは、リサイクルという観点ではないですが、下のグラフは、家畜用の飼料の主原料となっているトウモロコシの供給や利用の状況を示したトウモロコシものです。下の左の図の赤い線が年間の生産量の推移で、青い線が作付面積の推移です。作付面積は1940年からほとんど変わっていないか、むしろ若干減っている状況なのですが、生産量はどんどん上がっています。下の右の図は、単収(畑の一定面積あたりどのくらいの生産量があるのか)で、年々増えている、つまり、どんどん生産効率が良くなってきています。これは、畑の管理に最近ではGPSの技術を導入したり、遺伝子組み換えなどの技術を応用するようになったことが貢献しています。

(土橋裕司)

 

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