配合飼料の安全性を確保するために、大きく分けて行政による規制と民間による自主規制が行なわれています。
行政による規制 の一番根幹となっているのは飼料安全法(飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律)で、この法律に基づき各種の農林水産省令やガイドラインなどが通知されています。またこれらが遵守されているか確認するために各配合飼料工場に対して(独)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)や都道府県が立入検査などを行っています。
主な行政による規制には次のものがあります。
BSEガイドライン(反すう動物用飼料への動物由来たん白質の混入防止に関するガイドライン)
BSE(牛海綿状脳症)などの発生防止を防ぐことが目的で飼料・飼料添加物の製造、輸入、流通、保管、給与等の管理の基本を示したもので、牛用な反すう動物用飼料とその他の飼料の製造工程の完全分離や流通・保管過程での分離した取扱い、及び使用原料の規制などが盛り込まれています。
サルモネラ対策ガイドライン(飼料製造にかかるサルモネラのガイドライン)
飼料のサルモネラ汚染を防止するために遵守事項を示したもの です。
抗菌剤GMP(抗菌性飼料添加物を含有する配合飼料及び飼料添加物複合製剤の製造管理及び品質管理に関するガイドライン)
抗菌性飼料添加物を含む製品を適正に製造するための遵守事項を示したもので、適正な管理をしている工場に対するFAMICによる確認書も発行(認証に類似)されています。
有害物資混入防止ガイドライン(飼料等への有害物質混入防止のための対応ガイドライン)
我が国の飼料原料が輸入品に依存しているため、原料の輸入段階から有害物質の混入を防ぐための指針で、残留農薬、かび毒、重金属等の化学物質を対象としたもの です。
飼料等の適正製造規範(GMP)ガイドライン
これまでハザード毎に作られていたガイドラインを、HACCP の考え方や国際的なGMP基準との整合性を考慮しながら、現行のガイドライン整理・統合したもの。
民間による自主規制や認証制度
配合飼料メーカーでは、各社毎にそれぞれ飼料の安全確保のための基準書・手順書を策定し、それに基づいた製造管理を行っています。
協同組合日本飼料工業会(平成25年現在で、組合員;50企業・75工場が加盟しており、全国の配合飼料生産量の2/3(1,574万トン)を製造しており、関係畜産農家は約2万7千戸(法人)となっている)では、工業会の自主規範として「安全飼料製造規範」を策定し、組合員共通の規範を有しています。