Q. 抗菌性飼料添加物の規制はどのように行われているのですか?

抗菌性飼料添加物を含有する飼料は、搾乳中の牛、産卵中の鶏とウズラ、ならびに、食用を目的として塗擦する前7日間の牛(生後おおむね6月を超えた肥育牛を除く)、豚、鶏またはウズラへの使用が禁止されています。また、畜産物への残留を防止する観点から、抗菌性飼料添加物を添加できる飼料の種類(添加ができるステージ)が決められています。例えば、産卵鶏の場合には、ふ化後20週齢頃から産卵がはじまりますが、抗菌性飼料添加物を含む飼料を給与できるのは中雛期(ふ化後10週)までとなっています。豚の場合は一般的に体重が115kg程度に到達した時点(生後5~7月齢)で食肉用として屠殺されますが、抗菌性飼料添加物を含む飼料を給与できるのは体重約70kgの子豚期までの約4月間で、それ以降の使用は禁止されています。

抗菌性飼料添加物の使用規制

抗菌性飼料添加物の使用規制

抗菌性飼料添加物のカテゴリー

また、抗菌性飼料添加物は、以下の4つのカテゴリーに分類されています。

  1. 抗コクシジウム作用のあるもの(第1欄)
  2. 駆虫作用のあるもの(第2欄)
  3. 成長促進作用のあるもの;主にグラム陽性菌に抗菌活性を示すもの(第3欄)
  4. 成長促進作用のあるもの;主にグラム陰性菌に抗菌活性を示すもの(第4欄)

各カテゴリー内の飼料添加物は、重複を避けるため同一飼料への併用が禁止されています(なお、アルキルトリメチルアンモニウムカルシウムオキシテトラサイクリンとクロルテトラサイクリンはグラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方に抗菌力を示すことから第3欄と第4欄の両方に収載されています)。さらに、第1欄に収載されている抗菌性飼料添加物は主に鶏およびブロイラー用の飼料への添加が認められているものであり、第2欄に収載されているものは豚用の飼料にのみ使用が認められている。したがって、鶏用、ブロイラー用配合飼料およびほ乳期・幼齢期の牛用配合飼料に添加できる抗菌性飼料添加物は最大でも3種類、豚用配合飼料では4種類、肥育期の肉牛容配合飼料では1種類のみとなります。

1. 抗コクシジウム作用のあるもの(第1欄)

アンプロリウム・エトパベート、アンプロリウム・エトパベート・スルファキノキサリン、サリノマイシンナトリウム、センデュラマイシンナトリウム、ナイカルバジン、ナラシン、ハロフジノンポリスチレンスルホン酸カルシウム、モネンシンナトリウム、ラサロシドナトリウム

2. 駆虫作用のあるもの(第2欄)

クエン酸モランテル

3. 成長促進作用のあるもの;主にグラム陽性菌に抗菌活性を示すもの(第3欄)

亜鉛バシトラシン、アビラマイシン、アルキルトリメチルアンモニウムカルシウムオキシテトラサイクリン、エンラマイシン、クロルテトラサイクリン、ノシヘプタイド、バージニアマイシン、フラボフォスフォリポール

4. 成長促進作用のあるもの;主にグラム陰性菌に抗菌活性を示すもの(第4欄)

アルキルトリメチルアンモニウムカルシウムオキシテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、ビコザマイシン

 

鶏、豚、牛に使用できる抗菌性飼料添加物のステージ別添加量(PDF版でご覧いただけます)