Q. 飼料添加物はどのように指定されているのですか?

新しい成分について飼料添加物の指定を受ける場合には、最初に、① 起源と発見の経緯、外国での許可・使用状況、② 名称や化学構造などの規格、③ 効果を裏付ける基礎試験成績、④ 対象家畜を用いた残留試験成績、⑤ 単回投与毒性や変異原性試験成績、⑥ 有効性、安全性および必要性を検討する上で参考となる資料を農林水産省に提出して事前協議を行う。この事前協議の結果、農業資材審議会の審議に付されることとなった場合には、 申請者は、以下に示す様々な資料を農林水産省に提出し、農業資材審議会において審議が行われ、農林水産大臣に対して飼料添加物としての指定の可否が答申されます。 なお、平成15年7月からは、農業資材審議会での審議の後に、食品安全委員会においてヒトの健康に対する影響についての審議も行われることになったため、飼料添加物としての指定までに多額の費用がかかるばかりでなく、事前協議から指定までに非常に長い期間が必要となっています。

農林水産省が示している「飼料添加物の指定の手引き:平成30年8月 第1.9版」(PDFファイルでご覧いただけます)
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生菌剤以外の場合

(1)期限または発見の経緯、外国での飼料添加物としての許可状況および使用状況等

(2)規格に関する事項

ア 名称
(ア)一般名
(イ)化学名
イ 化学構造
ウ 製造方法
エ 生物学的、理化学的性状
(ア)性状
(イ)確認試験
(ウ)純度試験
(エ)含量および定量法
オ 飼料中の定量法
カ 経時的変化(飼料添加物および飼料中の当該飼料添加物の安定性)

(3)効果に関する事項

ア 効果を裏付ける基礎的試験
イ 効果を裏付ける野外応用による試験

(4)残留性に関する事項

対象家畜などを用いた残留試験

(5)安全性に関する事項

ア 毒性試験
(ア)一般毒性試験

  1. 単回毒性試験
  2. 反復投与毒性試験(短期)
  3. 反復投与毒性試験(長期)

(イ)特殊毒性試験

  1. 世代繁殖試験
  2. 発生毒性試験
  3. 発がん性試験
  4. 変異原性試験
  5. その他の試験(局所毒性、吸入毒性等)

(ウ)薬理学的試験
(エ)生体内動態(吸収、分布、代謝、排泄、蓄積)に関する試験
イ 対象家畜等を用いた飼養試験
ウ 耐性菌出現に関する試験
エ その他
(ア)自然環境に及ぼす影響に関する試験(植物毒性、魚毒性、環境汚染等)
(イ)その他

生菌剤の場合

(1)期限または発見の経緯、外国での飼料添加物としての許可状況および使用状況等

(2)規格に関する事項

ア 名称
(ア)一般名
(イ)学名
イ 製造方法
ウ 細菌学的性状
(ア)性状
(イ)確認試験(簡易同定法)
(ウ)純度試験(他の細菌等)
(エ)がbb量(生菌数)および定量法(生菌数測定法)
エ 飼料中の定量法
オ 経時的変化(飼料添加物および飼料中の当該飼料添加物の安定性)
カ 製造用菌種の規格
(ア)継代の方法
(イ)保存の方法
キ 品質管理の方法
ク 製剤の物理的性状

(3)効果に関する事項

ア 効果を裏付ける基礎的試験
イ 抗菌性飼料添加物との併用による影響に関する試験
ウ 効果を裏付ける野外応用による試験

(4)安全性に関する事項

ア 菌の分類学的位置
イ 毒性試験
(ア)単回毒性試験
(イ)反復投与毒性試験(短期)
(エ)生体内動態(分布)に関する試験
ウ 対象家畜等を用いた飼養試験
エ 自然環境に及ぼす影響に関する試験

(注)上記の資料作成のための主たる試験の実施方法の概要についてはこちらをご覧下さい(外部リンク)
⇒飼料添加物の評価基準の制定について(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター)