Q. 配合飼料にはどのような形態がありますか?

マッシュ状(粉状)

いろいろな粒度の製品があります。

ペレット状

マッシュ製品を加熱加工し、鉛筆を細長く輪切りにしたような形状にした製品で、直径が2.5mm~8.0mm程度の製品があります。
飼料原料の粒度の違いなどによる製品内の分離・バラツキや、鶏用飼料などでは選り食い(粒度の粗いとうもろこし等を先に食べてビタミンやミネラルなどが多く含まれている粉状の部分を残してしまう)を防ぐことが出来ます。
一般的に飼料をペレット加工することで、摂食量の向上が見込まれ、発育に好影響を与えます。また、加工工程で加熱されることによりデンプン質のアルファ化が進み消化性が高まります(ただし、アルファ化の程度は、エキスパンダー加工*やフレーク加工に比べれば低いものです)。
搬送などにより多少の砕けが発生し粉が出るとは避けられません。
(*ペレット加工よりも高圧・高温加工したもので、デンプン質のアルファ化がかなり高まることで、消化性が向上し、嗜好性も良くなります。膨化し嵩(かさ)が大きい状態になるため、普通はエキスパンダー加工後に粉砕やペレット加工して家畜が食べやすいように処理されます。エキスパンダー加工よりもさらに高圧高熱加工したものが、スナック菓子やペットフードなどに見られるエキストルーダー加工になります)。

クランブル状

ペレット製品を粗砕きにした製品で、製造効率の高い大きいサイズのペレットを砕くことで給与家畜に適した粒度にしています。ペレット加工とほぼ同じ効果が期待できます。

顆粒状

非常に小さな粒状に加工した製品で、主に餌付~離乳時期の子豚に与える人工乳に用いられる加工法です。
幼動物に与える飼料は、粒度は細かく、また、脱脂粉乳などの乳原料を多く配合されており、油脂の添加も多いのが一般的です。そのため、そのままの形状(マッシュ状)では、吸湿や固化し易く、給餌器内壁への付着も起きやすいため、これを防ぐために顆粒化が行われます。
豚の発育初期に与えるためペレット製品よりも細かい状態にしてあり、顆粒化することにより、子豚が食べやすく、嗜好性が高くなるため、よく食べることで発育の度合いも高まります。

フレーク状

トウモロコシや大麦などを加熱圧ペン加工したもので、マッシュ状のものと混合したり(フレーク&マッシュ製品、ペレット状のものと混合(フレーク&ペレット製品)します。
加湿加熱することでデンプン質のアルファ化が促進され、消化製が高まります。また、粒を平たく大きくすることによって、牛の嗜好性が高まります。また、その形状が、牛の第一胃(ルーメン)*に刺激を与え、その働きを良くする効果があります。
(* 牛は4つの胃を持ち、4つの胃のうち一番大きなルーメン内には沢山の有用な微生物等が存在しています。これらの微生物の働きにより鶏豚のような単胃動物が消化し難い繊維質などを有効にエネルギーに変えることができます。また多くのビタミンなども自身で作ることが出来ています)

バルキー状

ヘイキューブなどの牧草や綿実のような繊維に富んだ原料を配合したもので、牛用飼料として使用されます。

代用乳

牛の哺乳期に40~42℃程度の温湯に溶かしてミルクの代用として給与する製品でマッシュ状や微顆粒状になっています。250gを6~8倍に希釈して1日2回給与する方法が一般的ですが種々の給与バリエーションがあります。生後初乳を飲ま せた後5~7週間人工乳と併用して給与します。