Q. 家畜用飼料原料として最も多く使われているトウモロコシはどのように生産されているのですか?

米国農務省の資料(http://www.usda.gov/oce/commodity/wasde/latest.pdf)によると、2015年現在、年間およそ7億トン強の小麦、5億トン弱の米、13億トン弱の粗粒穀物(そのうち10億トン弱がトウモロコシ)、言い換えれば、人間の体重50キログラムとすると、500億人以上の人間の体重に相当する穀物が生産されていることになります。全世界の人口は現在約70億人であることを考えると、これらの穀物がすべて人間によって消費されているわけではないことがわかります。。粗粒穀物の全世界での生産量は13億トン程度ですが、トウモロコシはそのうちの10億トン近くを占めます。トウモロコシの中で多くの日本人になじみが深いスイートコーンは、実は世界のトウモロコシ生産量の中で1パーセントにも満たないマイナーな存在です。多くのトウモロコシはフィールドコーンとも呼ばれ、世界各地で家畜飼料(約6億トン)として利用され、トウモロコシ粉などの主食原料やデンプンの原料などとしても利用されています。そして約7000万トンが生産国から消費国へと輸出されていて、米国はその半分以上に当たる約5000万トンを輸出しています。ちなみに、米国では年間約3億5000万トンのトウモロコシが生産され、約1億3000万トンが家畜飼料、約1億3000万トンがそのほかの用途として国内消費されています。大まかに言って、米国で生産されるトウモロコシの約15パーセントの5千万トン弱が輸出に回り、その約30パーセント、すなわち全米のトウモロコシ生産量の約5パーセント弱にあたる約1200万トンが日本向けであると考えてもよい のです。

米国の飼料用トウモロコシ畑

 

トウモロコシからのエタノール生産と併産物のDDGS

穀類を原料としたバイオエタノールの生産は世界各地で行われており、それぞれの地域で多く収穫されている穀類(米国ではトウモロコシ、カナダやEUでは小麦)が利用されており、日本でも量的には少ないもののコメを用いたエタノール生産が行われています。(続きを読む…