Q. 日本ではどれくらいのトウモロコシが使われているのですか?

日本が海外から輸入しているトウモロコシは年間約1500万トンで東京ドームのおよそ20杯分に相当します。
このうちの約95パーセント以上を米国産が 占めています。これらのトウモロコシは、積載量がパナマックスと呼ばれるタンカーで粒のままで運ばれてきますが、このタンカー1隻が積むことのできるトウモロコシは約5万トンですの、単純計算すれば3日に2隻のパナマックスに満載されたトウモロコシが輸入されていることになります。なお、これらの1500万トンのトウモロコシのうち、飼料用は約1200万トン、残りは食品やデンプンの原料として加工されて使われています。

米国産トウモロコシの20粒に1粒は日本に輸出される


出典:各種統計をもとに作成

このように、大量にトウモロコシが使われているにもかかわらず、輸入されたトウモロコシは家畜飼料や食品原料として使われるているため、工場で加工されてしまうため、粒のトウモロコシを消費者が直接目にすることはほとんどありません。「大きなタンカーで海外から運ばれ、工場で大量に加工される」という、トウモロコシの流通にかかわる巨大なインフラの上に私たちの食生活は成り立っているにもかかわらず、私たちはトウモロコシについて思いをはせることはほとんどありません。このような、私たちの目に直接触れることがない「見えないインフラ」があまりにもスムーズに動いているため、それが「当たり前」のこととして受け止められてしまっているからです(「科学技術と社会~遺伝子組換え作物を素材とした検討~」三石誠司(日本学術会議公開シンポジウム「遺伝子組み換え作物とその利用に向けて」2010年8月6日)講演要旨集 から)。

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