飼料の適正製造規範(GMP)ガイドライン

1. 正式名称

飼料の適正製造規範(GMP)ガイドライン(外部サイトにリンクしています)

2. 農林水産省通知

農林水産省消費・安全局長通知(平成27年6月17日 27消安第1853号、一部改正 平成28年4月8日 27消安第6399号、外部サイトにリンクしています)

3. 制定の経緯

これまでハザード毎に作られていたガイドラインを、HACCP の考え方や国際的なGMP基準との整合性を考慮しながら、現行のガイドラインをGMPガイドラインとして整理・統合。ただし、省令により規制されている部分(BSEガイドラインなどの一部分等)は残る。
国際的な考え方の変化を背景にしたもので、国際間で通用する安全管理の手法として制定された。
平成28年度にはFAMIC((独)農林水産消費安全技術センター)によるGMP適合状況確認制度が導入される予定。適合確認を受けることにより、自らの安全管理の妥当性を客観的に示すことが可能となる。
上記GMP適合状況確認制度が実施されるまでは、現行のガイドラインと新たなGMPガイドラインが併存。

【補足】

ⅰ)現行のガイドライン(略称)

サルモネラ対策ガイドライン
BSEガイドライン
抗菌剤GMPガイドライン
有害物質混入防止ガイドライン

ⅱ)HACCP(ハサップ;正式な日本語訳はない)

Hazard Analysis and Critical Control Point
製造工程のあらゆる段階で発生する恐れのある危害をあらかじめ分析(Hazard Analysis)し、その結果に基づいて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を得ることができるかという重要管理点(Critical Control Point)を定め、これを連続的に監視(モニタリング)することにより製品の安全を確保する管理手法。

ⅲ)ハザード(H、危害要因)

製品の使用者に被害を引き起こす恐れのある許容できない要因(特性)で、生物学的要因(有害微生物など)、化学的要因(農薬、カビ毒など)、物理的要因(異物、放射性物質など)がある。

ⅳ)危害分析(Hazard Analysis)

発生する恐れのある危害要因を明確にし、危害の重要度と起り易さ(リスク)について評価すること。

4. 制定の目的

近年、食品の安全確保に関しては、従来の最終製品の検査を中心とする考え方から、HACCP等の工程管理に重点を置いた考え方に変化しており、フードチェンの一端を担う飼料についても、事業者自らが、原料段階から最終製品までの全段階においてこのような手法を導入し、飼料の安全を効果的かつ効果的に確保することが重要とされるため、本ガイドラインが制定された。
本ガイドラインは、事業者自らが、ハザード等を適切に管理し、安全な飼料を供給するために実施する基本的な安全管理であるGMP、さらに、自らの業務実態に応じHACCPの考え方に基づき、より高度な安全管理を導入していくための指針を示したもの。

5. GMPガイドラインの構成と内容

ⅰ)構成

第1 目的
第2 定義
第3 適正製造規範
…全ての事業者(飼料及び原材料の製造業者、輸入業者、販売業者)が取り組むGMP。FAMICによる適合状況確認の対象範囲
第4 ハザード分析に基づく工程管理
…更に高度な管理を目指す事業者が取り組むHACCPの考え方を取り入れた管理
第5 抗菌性飼料添加物を含有する配合飼料等に関する製造工程管理…これまでの抗菌剤GMPガイドラインに即した内容

ⅱ)適正製造規範の主な内容(本ガイドラインの中心部分)

  1. 組織及び従業員
    ・製造管理責任者等の設置と製造部門とは独立した品質管理部門の設置
    ・従業員の教育訓練 等
  2. 施設等の設置及び管理
  3. 調達する原材料等の安全確認
    ・原材料等の明確な規格を策定
    ・検査等により原料の安全を確認
  4. 衛生管理
  5. 工程管理及び品質管理
    ・製造管理手順書及び品質管理手順書の作成
    ・製造指示書等による計画的な生産
    ・再生品の利用
    ・表示
    ・品質管理部門による確認等
  6. 試験検査
  7. 自己点検
  8. 異常時対応
  9. 苦情処理
  10. 回収処理
  11. 行政や関係機関との連携